シェフのお料理コラム ~Tête de Cochon~

皆様、こんにちは!

Cellar Door Aoyama シェフ緒方です。
前回に続いて、シャルキュトリのお話。

テット・ド・コションについてです。
それに因んで、フランス料理のことも少しお話しできればと思います。


 

Tête de cochon。


Fromage de tête(フロマージュドテット)
とも呼ばれますが、
要は「豚の頭を丸ごと使ったフランスの伝統的な豚料理」のことです。

豚の頭!?と驚かれる方もいるかと思いますが、
フランスのお肉屋さんでは店頭によく並んでいます。

日本人が鯛や金目の頭を煮付けて美味しくいただくのと、
感覚としては近いかもしれません。
今日はそんな「豚の頭」のお話。


 

■Tête de cochonについて


テット・ド・コションは、豚の頭肉を香味野菜とともにじっくり煮込み、
テリーヌ状に固めてから表面をカリッと焼き上げる、ビストロの定番料理です。
コラーゲンたっぷりで、濃厚な旨味が特徴です。

フランス料理には、骨や血、内臓まで余すことなく使い切る文化があります。
鼻から尻尾まで」という言葉があるくらい、
動物一頭をまるごと大切にする考え方が昔から根付いています。

冷蔵庫もない時代、食材を無駄にしないことは当たり前の知恵でした。
そうした暮らしの積み重ねが、シャルキュトリという豊かな加工肉文化を生み出してきたんですね。

骨はブイヨンに、血や内臓はテリーヌに。

テット・ド・コションも、そんな考え方から生まれた料理のひとつです。

豚の頭、と聞くと少し驚くかもしれませんが、頬肉、首肉、舌、耳など、
意外と食べられる部位はたくさんあります。
ゆっくり火を入れることでゼラチン質が溶け出し、濃厚でコクのある味わいに
見た目は豪快ですが、丁寧な仕事と時間が積み重なった一皿です。


 

■Cellar Door AoyamaのTête de Cochon


Cellar Door Aoyamaでは、テット・ド・コションを不定期でご用意しています。
不定期のご用意となるのは、食材の希少性ゆえ。

千葉県産のブランド豚、花悠仔豚を使用しています。

生後間もない仔豚ならではのやわらかさと、凝縮された旨味が特徴で、
これまで扱ってきた中でも特に印象に残る食材のひとつです。

その希少な頭を丸ごと使用し、丁寧に下処理を施したのち、
旨味の強い塩「セル・ド・ゲランド」と香味野菜、ハーブで
一週間以上じっくりとマリネします。


続いて火入れ。
店で仕込み続けている豚のブイヨンを用い、
85℃の低温で約3時間
かけてポシェします。
ブイヨンにはシャルキュトリの工程で生まれる豚の旨味が重なり、
より深い味わいを与えてくれます。

やわらかく仕上がった肉をテリーヌ型に成形し、
パン粉をまとわせてカリッと焼き上げます。
ゼラチン質のとろりとした食感と、表面の軽やかな歯触り。
そのコントラストもこの料理の魅力です。

 


 

ご用意できるタイミングは限られますが、
もし出会えた際には、ぜひお試しください。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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