オーストラリア人が醸す斬新なブルゴーニュワイン Le Grappin
オーストラリア出身、ロサンゼルスで広告業に従事していたアンドリュー・ニールセンが行っているネゴシアンプロジェクト。オーストラリア、ニュージーランド、カリフォルニア、そしてブルゴーニュでの研鑽を経て2011年に設立しました。「見過ごされてきた、過小評価されているアペラシオンを再発掘する」というコンセプトを基に、ブルゴーニュ外から来た独自の感性でワインをリリースしています。ブドウの供給元となるブドウ栽培家と協働でワインを造るスタイルで、ブルゴーニュのワインは石灰質土壌のものを選んでいます。アペラシオンの名前に捕らわれず、その土地の個性を表現することを目指して、日々ワイン造りに取り組んでます。ブルゴーニュ外から来たものだからこそ土地やワインの個性をフラットな目線で感じ取り、リリースされるワインはどれも個性豊かです。
マコン・ヴィラージュ・デュ・グラッパン 2020
5,500円 (税込)
マコン北部Azé村の石灰質土壌。日照の穏やかな北向きの斜面、そして畑の東側は森に囲まれていることから、午前10時までは畑に影がかかっており、とても冷涼な畑です。ここから生まれる酸の高いシャルドネは、元々クレマン・ド・ブルゴーニュ用に用いられていた区画でした。1940、1980植樹の高樹齢のシャルドネ。ブラックシャルドネメソッド、大樽で発酵・熟成、バトナージュはしません。澱引きの際にも一部澱と共にステンレスタンクへ移し熟成します。ボトリングの際も濾過はせず、軽く清澄するに留めています。畑のバックグラウンド、製法ともに一般的なブルゴーニュワインとは一線を画すスタイルで造られるマコン・ヴィラージュですが、青りんご、レモンなどのクラシックなブルゴーニュのシャルドネの香りで、比較的温暖といわれるこのアペラシオンの特徴はやや影を潜めています。酸は活力に溢れ味わいも滑らか。ミネラリーな余韻を残し、生産者はカジュアルなレンジのワインとしてリリースしていますが、熟成のポテンシャルも申し分ない高いクオリティを誇ります。
1950、1970、1990植樹、Moulin a Ventと接するフルーリーの区画には、白い石英とピンクの花崗岩が多層的に重なっている独自の土壌がみられ、現地の人は「Le Lardon=ベーコン」と呼んでいます。ボージョレ・ヌーボーで用いられるマセラシオン・カルボニックで醸すワインですが、1970年代にナチュラルワインの祖とも呼ばれるJules Chauvet氏が残した「Maceration Aromatique」という手法を用いています。彼は元々化学の研究者で、ワインに関わる研究を通して、Marcel LapierreやJoseph Chamonardといったボージョレの名手に影響を与えた人物です。
・パンチング・ダウンをしない(低抽出)
・解放式の発酵槽
・自然酵母による長時間発酵
の3つを特徴としており、造られたワインは繊細でありながら複雑で奥行きがあるのが特徴です。
モンテリー・ブラン・レ・トロワジエール 2020
13,200円(税込)
上記2つが生産者が気軽に楽しんでもらえるワインとしてリリースしている「デュ・グラッパン」シリーズですが、高いクオリティを誇るワインとしてリリースしているのがこの「ル・グラッパン」シリーズです。モンテリは鉄分質の赤い土壌が大半を占め、その土壌の影響で赤ワインの生産が8割ほどを占めています。このモンテリはムルソーと境界を接し(畑のほんの数メートル先がムルソー村とのこと)、きれいな石灰岩土壌にシャルドネが植わっています。つまり、ほぼムルソーのワインです。ブラックシャルドネメソッドを用いていますが、収穫したブドウの搾汁も、流行りの空気圧式でなく*バスケットプレスで行っています。
*空圧式プレスだとブドウの果汁や不純物も共に搾汁されるのに対し、バスケットプレスによる搾汁ではジュースがプレス機の横から流れていくので、ジュース以外の果肉や皮、種が混じりにくいそうです。
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