今週の新着ワインのご紹介です。「00 WINES(ダブルゼロ・ワインズ)は、アメリカ、オレゴン州のウィラメット・ヴァレーの生産者。シャルドネ、ピノ・ノワールの新聖地であるこの地で、2013年に設立されたワイナリーです。オーナーのキャサリン&クリス夫妻、そして手練れのワインメーカー、ピエール・ミルマンにより造られる大胆なワインメイキングは、今ワイン業界に新たな風を吹き込んでいます。シャルドネ、ピノ・ノワールそれぞれ近代化以前のワインメイキングをさらに発展させたワインメイキングを実践しており、保守的なようで新しいスタイルのワインを生み出しています。

 

・ワインメーカー -Pierre Milmann-

ニュイ・サン・ジョルジュにミルマン・コンサルタント、ミルマン・ワインという会社を経営し、ワインコンサルタントとして名を馳せるピエールは、この00ワインズの他にドイツ、スイス、オーストリア、イタリアなどでコンサルタントをしています。ワインの質感や酸を重視したワイン造りを哲学とし、00ワインズではオレゴンワインの他、ブルゴーニュやシャンパーニュでもワイン造りのプロジェクトを進行させています。ピエールは、シャンパーニュで醸造学のディプロマを取得し、その後ディジョンで醸造学のナショナル・ディプロマを取得。その後、ディジョンで醸造学研究の修士号を取得し、現在はブルゴーニュ大学で非常勤講師として、後輩の育成に励んでいます。ピエールが実践しているワインメイキングを下記で解説します。

・シャルドネ -Black Chardonnay-

ワインメイキングが近代化する以前に行われていたブルゴーニュ伝統の方法に則った方法です。

一般的に白ワイン造りにおいては、ブドウをプレスし果汁を絞り出す際、

・可能な限りゆっくりプレスしジュースのみを抽出(種や皮の成分を抽出しない)
・酸化させないよう窒素ガスや酸化防止剤を入れる

この2つを目標にプレスを行い、できるだけ果汁をフレッシュな状態にするよう努力します。しかしこのブラック・シャルドネの方法で行われるのは真逆のワインメイキング。強い圧力で果汁以外の皮の成分を抽出し、果汁を絞る際も敢えて空気に触れさせます。その際マストの色は、切りたてのリンゴのように茶色みを帯び、最終的には真っ黒なマストになります。この色はまるで酸化しきってしまったワインのようでショッキングな見た目をしていますが、醸造の過程で薄まっていき、ボトリングするまでには通常のワインと同じ色になります。むしろこの方法により熟成過程において酸化しやすい成分を取り除き、ワインが酸化しにくくなり、熟成ポテンシャルを向上させるという研究結果も出ているようです。さらにワインはこの方法により、このワインだけが持つ柔らかいテクスチャーを持つようになります。ブルゴーニュにおいては、空圧式プレス機の登場以前から、ブドウを空気に触れさせて絞るのは当たり前のことであり、今でも伝統的なワインメイキングを実践している生産者は茶色く濁った果汁を使ってワインを造っています。00ワインズの製法はこの伝統的製法をより強烈に推し進めて、このブラック・シャルドネという製法にたどり着きました。このワイナリーのスタイルを、ムルソーの著名生産者「コシュ・デュリ」を彷彿させる、という評論家も多いです。

Reminding many of the wines of Coche-Dury.” Charles Curtis MW, Decanter on the 00 Wines Chardonnays

新樽の比率も20%程と控えめで、澱との熟成によるナッツ香や滑らかなテクスチャーなど、樽以外の要素による豊満さが特徴です。

 

・ピノ・ノワール -Snip Snip-

「スニップ・スニップ」と彼らが呼んでいる方法を採用しています。房ごと手摘みされたブドウを、はさみでブドウの果粒の部分を切り取り、一つ一つアンフォラの容器に入れていくという、気が遠くなるような手作業で行っています。除梗機があればこの作業も一度に終わるのですが、果実を無傷の状態で仕込むことで、ワインがよりピュアな果実の香りを放つようになります。1つの容器を埋めるのに、10人がかりで1日かかるそうです。アンフォラの中に入れられたブドウは、果粒の中で発酵が始まり、やがて皮を破り自発的に発酵を始めます。

今回初の扱いとなるオレゴンワイン。オレゴン産のシャルドネ&ピノ5種に、ワイナリー肝いりのプロジェクトであるコルトン・シャルルマーニュが限定入荷しました。今ワイン業界で大注目のワイナリー。日本で購入できるのはCellar Door Aoyamaのみです。是非とも00ワインズのポテンシャルをお楽しみください。


VGW・シャルドネ 2017
13,200円(税込)

“Very Good White”の意味。30% new oakで、このワイナリーのスタンダードレンジとなります。黄桃、ガンフリント、ナッツなどの香り。Wine Advocate 92点


EGW・シャルドネ 2018
16,500円(税込)

“Extra Good White”の意味。Eola-Amity HillsChehalem Mountainの二つのサブ・リージョンのワインをブレンドしています。338ケース限定生産。 トースト、フリント、塩を振ったアーモンドや蜜蝋のアロマ。Wine Advocate 93点


エオラ・スプリングズ・ シャルドネ 2017
22,000円(税込)

1984年植樹、樹齢40年に迫る古樹から造られるシャルドネ。オレンジオイル、ジャスミン、蜜付けリンゴなど濃密で複雑な香りが広がります。WIne Advocate: 95点


キャサリン・ヘルマン・キュヴェ・シャルドネ 2018
27,500円(税込)

Old Wenteクローンを使ったワインで、バレルセレクションでこの名を冠するにふさわしいワインが選ばれます。50ケースの限定生産。ローストしたクルミに強いミネラル、グアヴァやジンジャーブレッド、スパイスの香り。Wine Advocate 95+点


シェア・ピノ・ノワール 2018
16,500円(税込)

ワイン名にもなっている単一畑から造るピノ・ノワール。137ケースの限定生産。赤い果実がバラの香りと共に花開き、鉄分、生肉やアーシーな熟成香も開き始めています。Wine Advocate 93点


コルトン・シャルルマーニュ・グラン・クリュ 2018
66,000円(税込) 

00ワインズがフランスで進めているプロジェクトの一つ。こちらもブラック・シャルドネのテクニックを用いて造られている注目のワインです。

生産者ページはこちら