小規模、そして大胆なナパ・ヴァレーの多様なテロワールの表現

Written by Carl Robinson / 訳 松永文吾

エイブリュー・ヴィンヤーズは創設者であるデイヴィッド・エイブリューの名をとって名付けられました。彼はナパ・ヴァレーの3代続く栽培家で、ナパ・ヴァレーの多くの生産者が彼のつくるブドウを求めています。彼のブドウを卸す顧客リストは正に、ナパ・ヴァレーのプレミアムワインの縮図です。ハーラン・エステート、コルギン・セラーズ、スタグリン・ファミリー、ブランキエット・エステート、アローホ・エステート、パルメイヤー・ヴィニャーズ、グレイス・ファミリー、ブライアント・ファミリーにスクリーミング・イーグルなど、数ある顧客の中でもこれらの生産者が目につきます。
しかし、このエイブリューが作り出すワインは、ナパ・ヴァレーの偉大なテロワールの真髄を垣間見れます。1986年、エイブリュー・ヴィンヤードは23エーカーの最初の畑、マドローナ・ランチの畑を購入しました。今日では、約70エーカーのナパの貴重な畑を所有しています。これらの畑から5つのワイン(マドローナ・ランチ、トレヴィロス、カペラ、ラス・ポサダス・ハウエル・マウンテンにロスウェル・ハイド)が生み出されています。これらはすべてカベルネ・ソーヴィニヨンが主体のボルドーブレンドで、一部カベルネ・フラン、プティ・ヴェルドにメルロが用いられています。

ワインはベテランのワインメーカーであるブラッド・グリムズによって醸造されます。デイヴィッドと同じくシェフ出身であるブラッドは完璧主義者で、ワインは精巧に、正確にバランスをとって造られます。このブラッドとデイヴィッド、そして際立って優れた畑の組み合わせから、ナパ・ヴァレーの最も洗練されたワインが造られます。ワインのスタイルは、エレガントで洗練されていますが、同時に豊富に感じる完璧な熟度のフルーツ、そしてシルキーなタンニンが魅力的です。スケールが大きく、リッチで熟している。しかし行き過ぎたところはなく、ナパ・ヴァレーが生み出しうるワインの最高の例と言えます。ワインの批評家たちからも高く評価されています。有名評価誌での100点は計16回、そのうち8回はロバート・パーカーによるワイン・アドヴォケイト誌のものです。

エイブリュー・マドローナ・ヴィンヤーズ

1987年ファースト・ヴィンテージ。カベルネ・ソーヴィニヨン50%、カベルネ・フラン35-40%にメルロー、少量のプティ・ヴェルドのブレンド。年産は500ケースの少量生産です。マドローナ・ランチはブドウだけでなく馬、牛、豚、鶏に山羊、さらにオリーヴも育つ牧野でもあります。
エイブリュー・トレヴィロス
デイヴィッドは1990年に22エーカーの畑にブドウを植えました。この地はエイブリューの持つ畑の中で唯一ナパのアペレーションに属していない畑です。サント・ヘレナとハウエル・マウンテンの間に位置するこの畑は海抜800フィート(243m)の山の頂上に位置し、土壌は主に火山性で、石、小石に赤い粘土などが混じっています。ワインはカベルネ・ソーヴィニヨンが45%、35-40%のカベルネ・フランに少しのプティ・ヴェルド、メルローのブレンド。年産500ケース以下です。

エイブリュー・ヴィンヤーズ・カペラ

サント・ヘレナ近くの山腹、僅か6エーカーの畑です。1869年に初めて植樹されたカペラは、ナパにおいても最も古い畑の一つで、カベルネ・ソーヴィニヨン60-70%、残りはカベルネ・フランに、ほんの少しのプティ・ヴェルドがブレンドされます。
エイブリュー・ヴィンヤーズ・ラス・ポサダス・ハウエル・マウンテン

ハウエル・マウンテンの山の上に位置する18エーカーの畑。その標高は2000フィート(600m)にも及び、高い標高が織りなす独特のミクロ・クリマの恩恵を受けています。土壌は白い火山性の土壌に、石灰岩や粘土が混じっています。
極めて高いこの標高は、ナパ・ヴァレーに吹き込む霧の影響を受けず、より高い熟度のブドウが収穫できます。ブレンドは70%のカベルネ・ソーヴィニヨンに25%のカベルネ・フラン、少しのプティ・ヴェルドの構成。タンニンは緻密で磨かれており、この地域で造られたとは思えないほどです。
ロスウェル・ハイド

エイブリューのすべての畑のブレンドで、真のナパ・カベルネといえます。

エイブリュー・ヴィンヤーズのワインはナパ・ワインのコレクターならぜひ持っておきたいアイテムです。私たちのエイブリュー・コレクションを是非一度ご覧ください。
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