Translated by Bungo Matsunaga

シラーのピュアな表現であるコート・ロティ。時にヴィオニエがブレンドされるこのアペラシオンは魔法のような存在です。ドメーヌ・ジャン・ポール・ジャメによるシラーの唯一無二の表現は、正に感嘆に値します。

ジャン・ポールのファースト・ヴィンテージは1976年。16歳にして、彼の父ジョセフの隣で働き、この複雑な畑においてシラーがどのように栽培されワインまで表現されるのかを学びました。2020年時点で44ヴィンテージのワイン作りを経験しており、このアペラシオンにおいて最良の19区画を所有しています。

ジャメのスタイルは正に伝統的というのがふさわしいでしょう。新樽の使用率は抑えられ、現代的なワインメイキングに多いバリック(小樽)よりも伝統的な大樽、デミ・ミュイを使用。果実のピュアさを求める除梗は行わず、ほぼ全て全房発酵で発酵しています。ブドウ畑においてもこの伝統的手法は一貫しており、コート・ロティの険しい斜面を含むすべての畑は、手作業で農作業を行っており、機械の導入のために畑をテラス状にしたり段上にしたりといったことは一切行っていません。
 
ジャン・ポールは彼の妻コリーヌ、長男のロイックと共に、ニュアンスに富み複雑なワインを造り出しています。色合いは深みがあり、エレガントでフィネスがあり、ピュアでオーセンティックなスタイルで、このアペラシオンの伝統的なスタイルの到達点を示しています。
今週、ジャメの最新ヴィンテージが入荷しました。さらにバックヴィンテージをはじめとしてコレクタブルなアイテムもあります。いずれも数量限定ですので、入手はお早めに!

コート・デュ・ローヌ・ブラン


ジャメの中でもとりわけ希少なこのワインはアンピュイとローヌ川の上部にある2haの畑から造られます。ブレンドはマルサンヌ50%、ヴィオニエ25%、ルーサンヌ13%、グルナッシュ・ブラン12%。醸造はステンレスタンク(ヴィオニエ、ルーサンヌ)と古いバリック(マルサンヌ、グルナッシュ・ブラン)に分けて行い、そのまま9か月間熟成されます。独特のスタイルのローヌ・ブラン。リリースから飲み頃ですが、ジュクセイノポテンシャルも持ち合わせています。生産量が限られたワインです。

コート・デュ・ローヌ・ルージュ


このワインは5つの区画(レザルド、コニェ、プロン、シャンプロンにタルタラス)から採れるシラーを100%使用。ステンレスタンクでの発酵の後、12か月の間バリック(4-5年使用)で熟成され、ピュアでジューシーなスタイルです。スパイシーで鮮やか、ピュアなホワイトペッパーと黒系果実はまさに教科書通りのシラーの香りです。

コンドリュー・ヴェルニヨン


このワインの名は僅か0.5haの2つ区画、「ヴェルノン」「シャティヨン」から来ており、これらはコンドリューのアペラシオン北部のコミューンです。このワインはステンレスタンク、バリック、アンフォラの3つでそれぞれ醸造され、9か月熟成。爽やかでジューシーなコンドリューで、今飲んでも十分に楽しめます。生産量僅かなワインです。

IGP・シラー・コリンヌ・ロダニエンヌ


3つの区画から採れるシラー100%のワイン。コート・ロティの若樹、ドメーヌのすぐ横にある小区画にコンドリューのすぐ上の区画といういずれも恵まれた立地のものです。ジャメとしては例外的に90%の除梗を行い、11か月間古いバリックで熟成されます。優雅でジューシーなシラーです。

コート・ロティ


アペラシオンの16もの区画から採れるブドウをブレンドしたシラー100%のワイン。ゲリン、レサルド、フォンジャン、チャヴァロシュ、コート・ボダン、ボニヴィエール、ル・プロン、ル・トルシェ、レ・ムトンヌ、ラ・ランドンヌ、コート・ブロンド、コート・ロジエ、ルヤ、コート・ブリュンヌ、タルタラス、ロサン。それぞれの区画毎に醸造され、澱引きはしません。ワインは大樽もしくは古い小樽で22か月熟成され、その後各区画はブレンドされます。ボトリングの際も濾過はしません。完璧なコート・ロティの表現で、ワインは6-8年の熟成を経てから飲むことが好ましく、そこからさらに10年以上のポテンシャルを秘めています。

コート・ロティ・コート・ブリュンヌ


40ヴィンテージ以上の間、このコート・ロティの単一区画のワインが造られています。ワインメイキングは通常のコート・ロティと同様で、この特異な区画の特徴を表現しています。コート・ブリュンヌは常により強壮な骨格、肉厚なボディを持つワインで、通常のコート・ロティよりもさらに長い熟成ポテンシャルを持っています。

コート・ロティ・ラ・ランドンヌ


この生産者の中でもとりわけ希少で、特別な年にしか生産されないワイン。2018年ヴィンテージが最も最近に生産されたヴィンテージとなります。僅か0.26haの区画のワインは、例年は通常のコート・ロティにブレンドされるのですが、2018年のような例外です。他のキュヴェよりも長い24か月の熟成を経て造られるこのワインは、さらに希少性の高いものです。