今週の新着は、フランスはジュラからの新規生産者、Domaine de la Touraize(ドメーヌ・ド・ラ・トゥーレーズ)から全8アイテムがやってきました!ブルゴーニュの都市ボーヌから東に約70km、ジュラのアルボワで8代続くワイナリーがこのドメーヌです。1704年からブドウ栽培家としてブドウを造り続けており、現在はアンドレ・ジャン・モランとエレアナ夫妻がワイナリーを経営しています。

戦争に翻弄された6代目マリウス~ワイナリーの復興に尽力した7代目ミシェル

1704年生まれのアンドレの先祖の死亡診断書には、「エティエンヌ・モラン、ワイングローワー」と出てきており、少なくともこの年からはモラン家がワイン作りを生業にしていたことが遡れます。1880年には5代目の曽祖父オーギュストが6haの畑を所有しており、6代目、祖父のマリウスが畑を引き継ぎました。祖父マリウスは1912年に兵役で2年間ワイナリーを離れた後1914年に第一次世界大戦に召集されました。マリウスはその後7年間ワイナリーを不在にしますが、彼の家族の手によって畑は手入れされていました。しかし戦争は彼の心に暗い影を落とし、その後のワイン造りの精力を奪ってしまい、1922年にジュラの生産組合に参画した後、畑の多くは売られてしまいました。マリウスは子のミシェルにワイン造りにはならないよう強くいっていましたが、1950年、ミシェルはワイナリーを継ぐことを決意します。ミシェルは引き続き協同組合に参画し、ワイナリーの復興に尽力しました。妻のモニクも夫を献身的に支え、外勤で家計を支える傍ら、休日のほとんどをワイナリーの収穫の準備にあてていました。ワイン造りは順調に進み、当初は僅か0.3haの畑が、7代目の時点で5haまで回復しました。

ドメーヌとしての矜持を取り戻した8代目アンドレ

1985年には現当主アンドレが参画し、ドメーヌの畑は拡大を続け、15haまで所有が拡大しています。2009年には協同組合を離れ、栽培から瓶詰めまで一貫して行うことを決意。2011年に醸造所、2014年にセラー、2015年にはテイスティングエリアを確保するため3haの畑を売却しました。2016年には妻のエレアナが看護師を辞め、ドメーヌの仕事に従事。品質にこだわるドメーヌとして体制が整い、ワイナリーはハンドクラフトの自分たちのスタイルのワインを造っています。

ワイン造りの哲学

ワイン造りは基本的にミニマリストで、亜硫酸の使用を極力控えるなど、人的介入を最小限に抑えるワイン造りをしています。収穫は手摘み、野生酵母を使い発酵させます。2020年にはビオディナミの認証を取得。シャルドネやサヴァニャン、トゥルソー、プルサールなどジュラの伝統品種を用い、スティルワインの他ヴァン・ジョーヌやクレマンなども造っています。

ロゴのアンモナイト

ジュラは「ジュラ紀」の語源となったドメーヌ・ド・ラ・トゥレーズのロゴはアンモナイトの化石をデザインにしています。これは、現当主アンドレが子供のころ宝物にしていたものです。畑のトラクターの後ろをついていくと、鋤き込まれた土の中から化石が出てくることがあるのですが、その中でもアンモナイトは童心ながらにお宝に見えたそう。ジュラという土地の象徴でもあり、生産者の大事な記憶でもあるアンモナイトをロゴに使用しています。

 

ジュラ版御神輿Biouの祭り、その担ぎ手でもあるトゥレーズ

ジュラの伝統的な祭りにBiouと呼ばれる祭りがあります。これは収穫シーズンが始まる9月の第一日曜日に、これから収穫を始める収穫初期のブドウを、守護聖人の聖ジュストに捧げるお祭りです。地域のすべての生産者が持ち寄ったブドウを、藁でできた型につるしてできたものをBiouと呼び、さながら大きいブドウの房のように見えます。

重さが約90kgにもなるこのBiou4人で担いで、祭りの朝教会まで練り歩きます。そこで祝福を受けたBiouは教会の丸天井につるされることになっています。さながら日本の御神輿のようですね。ドメーヌ・ド・ラ・トゥレーズは代々、このBIOUの担ぎ手を務めており、現当主アンドレもこの重役を担っており、地域の中でも深く根付いている生産者だということがわかります。

ヴァン・ジョーヌはじめ新着全8種類入荷!
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最大区画、2つのテロワールから採れたブドウを使用
シャルドネ・レ・ボワジン 2018
6,160円(税込)

2.35ha、砂利で覆われたマールと石灰の2つのテロワールのブドウを使用したワイン。全房のまま空気圧プレスで圧搾、30hlの大樽で天然酵母によるアルコール発酵・マロラクティック発酵、30ヶ月樽熟成。2つの区画が隣合う事からLes Voisines(隣同士)と命名されています。手摘みでボトリングの際ろ過はしていません。
品種:シャルドネ100%

 

樽での長期酸化熟成を経た、ジュラの真髄を味わえるワイン
サヴァニャン 2018
7,920円(税込)

1ha、青いマール土壌、平均樹齢30年。全房のまま空気圧プレスで圧搾、ステンレスタンクで天然酵母によるアルコール発酵・マロラクティック発酵、228ℓの樽で2430ヶ月熟成。ウイヤージュをせず、産膜酵母による熟成を経たワインです。
品種:サヴァニャン100%

 

1haにも満たない僅かな区画「青い土壌」
サヴァニャン・テール・ブルー 2019
7,040円(税込

0.7ha、青いマール土壌、平均樹齢1540年。全房のまま空気圧プレスで圧搾、28hlの大樽で天然酵母によるアルコール発酵・マロラクティック発酵、18ヶ月熟成。この区画の土壌を表すTerres Bleues(青い土)と命名。
品種:サヴァニャン100%

 

ナッツの香りが華やかに香るジュラの特産ワイン
ヴァン・ジョーヌ 2014
18,700円(税込)

1ha、青いマール土壌、平均樹齢1030年。全房のまま空気圧プレスで圧搾、ステンレスタンクで天然酵母によるアルコール発酵・マロラクティック発酵、228ℓの樽で70ヶ月熟成。ウイヤージュをせず、産膜酵母による熟成を経たワイン。
品種:サヴァニャン100%

 

滑らかな質感、熟した赤果実が魅力的なプルサール
プルサール・ラ・カバン 2020
6,160円(税込)

1ha、灰色のマール土壌、平均樹齢3050年。手作業で除梗、破砕せず粒のままタンクに入れ、亜硫酸の代わりに二酸化炭素を充填。天然酵母によるアルコール発酵・マロラクティック発酵、ヴィンテージによりタンクまたは大樽で6~9ヶ月熟成。畑の中に小屋(Cabane)がある事から命名。
品種:プルサール100%

 

高いブドウの熟度、スパイシーな香りが特徴
トゥルソー・レ・コルヴェ 2018
7,040円(税込)

1.95ha、砂利で覆われたマール土壌、平均樹齢2045年。除梗後軽く破砕し、亜硫酸の代わりに二酸化炭素を充填。天然酵母によるアルコール発酵・マロラクティック発酵、30hlの大樽で18ヶ月熟成。コルヴェはリューディ名。
品種:トゥルソー100%

 

天然酵母によるペトナット系スパークリングワイン
ペティヤン・ナチュレル・レ・ディ・ビュル NV
5,280円(税込)

全房のまま空気圧プレスで圧搾、天然酵母によるアルコール発酵の初期の段階で瓶詰。数日後、酸素不足により糖を完全に分解せずに酵母の活動が停止。1ヶ月瓶内熟成。ドザージュ無し、残糖5g/ℓ。アルコール10%
品種:トゥルソー100%

 

発酵中のヴァン・ド・パイユを酵母に用いた唯一無二の個性
クレマン・デュ・ジュラ 2018
5,500円(税込)
1.6ha、シルトの混ざったマール土壌、平均樹齢30年。全房のまま空気圧プレスで圧搾、天然酵母によるアルコール発酵・マロラクティック発酵、8ヶ月タンク熟成。発酵中のヴァン・ド・パイユを酵母として加え瓶詰し、18ヶ月瓶内熟成。亜硫酸の添加無し、ドザージュ無し。

品種:シャルドネ100%