メイヤー
ドイツ系移民であるティモ メイヤーはオーストラリア産ピノ ノワールの究極と言われているGembrook Hill ジェムブルックヒルのチーフワインメーカーともよく知られていますが、彼自身の名を冠したワインをリリースする様になったのは1999年の事です。ティモは人間の欲望が剥き出しになった様なインスピレーションの男です。食欲や睡眠欲を貪り、綺麗な女性には目がありません。小太りの上に禿げ上がっていますが笑顔が人懐っこく、まるで悪戯好きの少年の様に落ち着きが無く、猥談が大好きな「オッサン」です。数年前に来日した折には六本木の交差点を歩く沢山の女性達を見て「ここは天国だ!」と叫んだ愛すべき「オッサン」なのです。パーソナリティを知った上でティモのワインを味わうと、その驚くほどの緊張感に満ち、エレガンスの極致とも言えるスタイルに感動すら覚えます。美しく保たれた雰囲気の裏側に潜むほんの僅かな狂気。透き通る様な果実感と共存ずる極小のタンニン。そして彼のエロティシズムを反映した様な揮発酸。ティモ メイヤーのワインは紛れも無く彼そのものです。ヤラヴァレーの中でも南側に位置し、特に冷涼なブラッディーヒルで密植されたブドウ樹のポテンシャルを最大限に引き出す為に彼がクレドとするのは人間の介在を極小に留める事。ボトリングまでSO2を一切使用していないとはにわかに信じられない様なワインを生みだす人間味溢れるメイヤーの真骨頂です。
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